スポーツをしていると、足首や膝、頭部のケガには意識が向きやすい一方で、歯や口のケガについては、事前に備える機会が少ないように感じます。
実際、競技中の接触や転倒によって、歯が欠けたり、折れたり、場合によっては抜けてしまうこともあります。
私自身、小学6年生からアイスホッケーを続けてきました。
接触の多い競技だからこそ、どれだけ注意していてもケガのリスクを完全になくすことはできない、と身をもって感じています。
だからこそ、私は「ケガをしてから治す」のではなく、「ケガをする前に守る」ことが大切だと考えています。
スポーツマウスピースは、ルールだから仕方なく着けるものではありません。
自分の歯や口を守り、できるだけ長く競技を楽しむための道具の一つです。
金町・葛飾区でスポーツをされている方や、お子さんが部活動やクラブチームで競技をしている保護者の方にも、まずは「歯を守るための準備」という視点を持っていただければと思います。

スポーツでは歯や口をケガすることがあります
スポーツ中のケガというと、捻挫や骨折、脳震盪などを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、歯や口の周りも衝撃を受けやすい場所の一つです。
体育・スポーツ活動中には、歯が欠ける・折れる・抜けるといった口腔外傷が起こることがあります。
特に注意したいのが前歯です。日本歯科医師会などの資料では、スポーツによる口腔外傷は上の前歯に起こることが多いとされています。
相手選手との接触だけではなく、転倒した際に地面へ顔をぶつけたり、ボールや用具が口元に当たったりすることでもケガは起こり得ます。
また、歯そのものだけではありません。
衝撃によって唇や頬の内側を歯で傷つけたり、顎の周囲に大きな負担がかかったりすることもあります。
そのため、私はスポーツにおける歯のケガを「起きたら歯医者で治せばいい」とは考えていません。
天然の歯は、一度大きく傷ついてしまうと、治療をしてもケガをする前とまったく同じ状態に戻せるとは限りません。
だからこそ、治療の技術と同じくらい、そもそも大きなケガをできるだけ防ぐための準備が大切です。
これは、当院が普段の診療で大切にしている予防歯科の考え方にもつながります。
虫歯や歯周病を「悪くなってから治す」のではなく、悪くなる前に守る。
スポーツマウスピースも同じように、大切な歯を守るために事前に備える予防の道具だと私は考えています。

私がスポーツマウスピースを「ケガ予防の道具」と考える理由
私がスポーツマウスピースについて発信したいと思う背景には、歯科医師としての知識だけではなく、自分自身が長くスポーツを続けてきた経験があります。
私は小学6年生からアイスホッケーを続けてきました。
アイスホッケーは接触の多い競技で、マウスピースの着用が求められます。
ただ、競技を続ける中で、「ルールだからとりあえず入れている」という使われ方を目にすることもありました。
私自身も、スポーツ歯科について学ぶようになってから、マウスピースに対する考え方が変わりました。
自分の口に合わせて作製したものを実際に使うことで、マウスピースは単に口の中に入れておけばよいものではないと改めて感じています。
大切なのは、「着けているかどうか」だけではありません。
自分の歯や噛み合わせに合っているか、競技中に外れにくいか、呼吸や会話の邪魔になりにくいか。
そうした部分まで考えて初めて、ケガから歯や口を守るための道具として意味を持ってくると私は考えています。
私は、選手にマウスピースをただ義務として使ってほしいわけではありません。
「なぜ着けるのか」を理解したうえで、自分の身体を守るために使ってほしい。
これは、歯科治療について「なぜこの治療が必要なのか」を患者さんに理解していただくことを大切にしている、私自身の診療の考え方にも通じています。
スポーツをしていれば、ケガの可能性をゼロにすることはできません。
それでも、あらかじめできる準備はあります。
私はスポーツマウスピースを、そのための「ケガ予防の道具の一つ」として、もっと多くの選手や保護者の方に知っていただきたいと思っています。

スポーツマウスピースはどのように歯や口を守るのか
スポーツマウスピースは、歯の周囲を覆うことで、競技中に口元へ加わる衝撃を受け止め、歯や口の中にかかる力をやわらげる役割があります。
スポーツ時の歯の破折や口腔内の外傷を予防する目的で使用されています。
たとえば、相手選手の身体やボールが口元に当たったとき、何も装着していなければ、その力が歯へ直接加わります。
また、衝撃によって上下の歯が強くぶつかることで、歯やその周囲に負担がかかることもあります。
マウスピースを装着することで、こうした衝撃を受けた際に歯を保護し、唇や頬の内側が歯にぶつかって傷つくリスクを軽減することも期待できます。
もちろん、マウスピースを着けていればすべてのケガを防げるというものではありません。
それでも、競技中に起こり得る外傷に対して、事前にできる備えの一つだと考えています。
歯科医師として特にお伝えしたいのは、天然の歯の大切さです。
歯が大きく欠けたり、抜けたりした場合、さまざまな治療方法があります。
しかし、治療によって機能を補うことはできても、一度失った天然の歯そのものを元に戻すことはできません。
だから私は、「どう治すか」と同じくらい、「どうすればケガを防げるか」を考えることが大切だと思っています。
これは、私が普段の診療で大切にしている「悪くなった原因を考え、同じことを繰り返さない」という原因療法や予防歯科の考え方とも共通しています。
スポーツマウスピースは、競技のための特別な道具というよりも、自分の歯をこれから先も守っていくための予防手段の一つです。
特に長く競技を続けたい方には、歯や口を守ることもコンディション管理の一部として考えていただきたいと思っています。

コンタクトスポーツだけのものではありません
スポーツマウスピースというと、アイスホッケーやラグビー、格闘技のような、身体同士が激しく接触する競技をイメージする方が多いと思います。
もちろん、こうした競技では歯や口への衝撃に備えることが重要です。
ただ、私は「接触競技ではないから、マウスピースは関係ない」とは考えていません。
スポーツ中の口のケガは、人とぶつかったときだけに起こるものではありません。
転倒したときに地面へ顔をぶつけたり、ボールや競技用具が口元に当たったりすることでも、歯や口を傷つける可能性があります。
そのため、サッカーやバスケットボール、野球、スキー・スノーボード、スケートボードなど、さまざまな競技で口元を守ることを考える意味があります。
また、柔道や筋力トレーニングなど、競技中に強く噛みしめる場面が多いスポーツでも、歯や噛み合わせへの負担を考えることがあります。
私自身がアイスホッケーをしてきたからこそ、激しい接触のある競技でマウスピースを使う意味は実感しています。
一方で、歯科医師になってスポーツ歯科を学ぶ中で、「どの競技をしているか」だけではなく、「その競技でどのような力が口元に加わるのか」を考えることが大切だと感じるようになりました。
同じスポーツでも、ポジションや競技レベル、プレースタイルによって状況は異なります。
ですから、当院ではマウスピースを作る際に、競技名だけを聞いて同じものを作るのではなく、競技・ポジション・用途・噛み合わせなどを確認したうえで、その方に合った形を考えていきます。
「自分の競技でも必要なのかな」と迷う場合は、まずその競技でどのようなケガが起こり得るのかを考えてみることが第一歩です。
マウスピースが必要かどうかを、競技名だけで決めない。
これも、私がスポーツをする方にお伝えしたいことの一つです。

ただ着ければよい、とは私は考えていません
スポーツマウスピースは、口の中に入っていればそれでよい、というものではありません。
市販されている、お湯でやわらかくして自分で形を整えるタイプは、手軽に準備しやすいという特徴があります。
一方で、ご自身で歯に合わせるため、フィット感や噛み合わせの調整には限界があります。
形が合っていないと、競技中に外れやすかったり、話しにくさや呼吸のしづらさを感じたりする場合もあります。
私が特に大切だと考えているのは、「その人の歯と噛み合わせに合っているか」という点です。
スポーツ中は、走る、跳ぶ、ぶつかる、踏ん張るといった動きの中で、無意識に歯を噛みしめる場面があります。
そのときに上下の歯の当たり方に偏りがあると、特定の場所に負担が集中する可能性があります。
そのため歯科医院でスポーツマウスピースを作製する際には、歯型だけではなく、上下の噛み合わせも確認しながら調整していきます。
当院でも、競技・ポジション・用途などを伺い、口の状態を確認したうえで作製しています。
私自身、オーダーメイドのスポーツマウスピースを使用してきました。
その経験からも、マウスピースは「厚ければ守れる」「硬ければよい」という単純なものではないと感じています。
保護することはもちろん大切ですが、競技中に外れにくいこと、呼吸や会話を妨げにくいこと、そして噛み合わせに配慮されていること。
実際に競技の中で使い続けられることまで含めて、マウスピースを考える必要があります。
私が選手の方に使っていただきたいのは、単にルールを満たすためのものではありません。
マウスピースは「入っていればいい」ものではない、と私は考えています。
せっかくケガを予防するために装着するのであれば、「なぜこの形なのか」「自分の競技にはどのようなものが合っているのか」まで理解したうえで使っていただきたいと思っています。

特に子どもや学生の選手に伝えたいこと
私がスポーツマウスピースについて発信するうえで、特に伝えたいのが、成長期の子どもや学生の選手にも「歯を守る」という意識を持ってほしいということです。
スポーツを始めると、シューズやユニフォーム、ラケット、防具など、競技に必要な道具を揃えると思います。
一方で、歯や口を守るための準備については、まだ十分に知られていないと感じることがあります。
私は長くアイスホッケーを続けてきましたが、競技をしていると、接触や転倒を完全に避けることはできません。
それは大人でも子どもでも同じです。だからこそ、若いうちから「ケガをしたら治せばいい」ではなく、できる範囲でケガを予防する習慣を持つことが大切だと考えています。
特に子どもの場合は、これから先も長く使っていく歯を守るという意味があります。
スポーツを頑張っている時期に歯を大きく傷つけてしまえば、その後も継続的な治療や経過観察が必要になる場合があります。
一方で、成長期のお子さんにスポーツマウスピースを作る際には、大人とは違った注意も必要です。
乳歯から永久歯への生え替わりや、顎の成長によって口の中は変化していきます。
そのため、一度作ったものをずっと使い続けるのではなく、成長に合わせて状態を確認することが大切です。
必要に応じて調整や作り替えを検討します。
私は保護者の方にも、競技用の道具を選ぶときと同じように、「身体を守るための道具」にも目を向けていただければと思っています。
上手くなるための道具ももちろん大切です。
ただ、その競技を長く続けるためには、まず身体を守ることが土台になります。
歯も、その身体の一部です。
スポーツを頑張る子どもたちが、できるだけケガなく、好きな競技を長く楽しめるようにする。
スポーツマウスピースは、そのために私たち歯科医師ができるサポートの一つだと考えています。

それでも歯をケガしてしまったら
どれだけ準備をしていても、スポーツ中のケガを完全になくすことはできません。
マウスピースを装着していても、強い衝撃によって歯が欠けたり、折れたり、抜けたりする可能性はあります。
もし競技中に歯をケガした場合は、「痛みが少ないから大丈夫」と自己判断せず、できるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。
日本歯科医師会でも、スポーツ中に歯が折れた・抜けた場合の応急対応について案内されています。
見た目には小さな欠けに見えても、歯の内部や歯を支える組織に影響が及んでいる場合があります。
また、歯が抜けてしまったケースでも、その後の対応によって治療方法が変わることがあります。
私がマウスピースによる予防を大切にしているのは、まさにこうした場面を少しでも減らしたいからです。
歯科医師としてはケガをした歯を治療することももちろん大切ですが、スポーツを続ける選手として考えると、できれば治療が必要になるようなケガそのものを防ぎたいと思っています。
そして、一度ケガを経験した方には「治して終わり」にしてほしくありません。
なぜケガが起きたのか。マウスピースを使っていたのであれば、きちんとフィットしていたのか。
使っていなかったのであれば、今後どのような備えができるのか。
そこまで考えて、次のケガを防ぐことが大切です。
これは当院が大切にしている原因療法と同じ考え方です。
起きてしまった問題に対応するだけでなく、その経験を次の予防につなげる。
好きなスポーツを長く続けるためにも、歯や口のケガを「仕方のないこと」で終わらせず、その後の予防まで一緒に考えていきたいと思っています。

スポーツマウスピースの費用・作製について
当院のスポーツマウスピースは保険適用外の自費診療です。
料金の目安は、単色22,000円(税込)、単色の学割17,000円(税込)、オーダー44,000円(税込)、オーダーの学割39,000円(税込)です。
作製時には、競技・ポジション・用途・噛み合わせを確認したうえで、上下の歯型を採り、噛み合わせを再現しながら作製します。
完成後はフィッティングを確認し、必要に応じて調整します。
具体的な来院回数や所要時間は、お口の状態や作製するマウスピースによって異なるため、カウンセリング時にご説明しています。
マウスピースを装着しても、すべてのスポーツ外傷を防げるわけではありません。
また、装着時に違和感が生じる場合や、歯の生え替わり・顎の成長、マウスピースの劣化などによって調整や作り替えが必要になる場合があります。
※料金は変更になる場合があります。最新の料金は当院までお問い合わせください。

よくある質問
Q. スポーツマウスピースでどのようなケガを予防できますか?
A. 歯が欠ける・折れる・抜けるといった外傷や、唇・頬の内側のケガを軽減する目的で使用されます。
ただし、すべてのケガを防げるわけではありません。
Q. コンタクトスポーツ以外でも必要ですか?
A. 転倒やボール・用具との接触がある競技では、口元をケガする可能性があります。
競技名だけで判断せず、競技内容やポジションに応じて検討することが大切です。
Q. 子どもでもスポーツマウスピースを作れますか?
A. 小学生から作製を検討できます。
ただし、成長期は歯の生え替わりや顎の成長があるため、定期的に状態を確認し、必要に応じて調整や作り替えを行います。
Q. 市販品と歯科医院で作るものは何が違いますか?
A. 市販品は手軽に用意できる一方、歯科医院では歯型や噛み合わせ、競技内容などを確認しながら個別に作製します。
フィット感や使いやすさも含めて調整できる点が特徴です。

スポーツを長く楽しむために、歯を守るという選択を
スポーツを続けていると、ケガのリスクを完全になくすことはできません。
だからこそ私は、防げる可能性のあるケガに対しては、できる準備をしておくことが大切だと考えています。
私自身、小学6年生からアイスホッケーを続けてきました。
競技者としてマウスピースを使い、歯科医師としてスポーツ歯科を学んできた中で感じるのは、マウスピースは単なる「装着義務を満たすための道具」ではないということです。
自分の歯や口を守り、好きな競技を長く続けるための備えの一つだと思っています。
そして、これは当院が大切にしている予防歯科の考え方とも同じです。
悪くなってから治療するだけではなく、なぜ問題が起こるのかを考え、できるだけその前に防ぐ。
私はスポーツマウスピースについても、同じ視点で向き合っています。
「自分の競技でもマウスピースは必要なのか」
「市販のものを使っているけれど、このままでいいのか」
「部活動をしている子どもに作ったほうがいいのか」
こうした疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
金町・葛飾区でスポーツマウスピースを検討されている方は、まず競技内容やお口の状態についてご相談ください。
必要性も含めて、一人ひとりの競技や噛み合わせに合わせて一緒に考えていきます。
選手には、できるだけケガなく、好きなスポーツを長く楽しんでほしい。
それが、スポーツを続けてきた一人の競技者として、そして歯科医師として、私がスポーツマウスピースについてお伝えしたい一番の思いです。
お口のことで気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。
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▶ 診療時間:月〜土 9:00〜17:30(日祝休診)
▶ アクセス:JR金町駅 徒歩3分
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執筆者
院長 島田惇平
経歴
日本大学鶴ヶ丘高等学校 卒業
日本大学歯学部 卒業
日本大学歯学部付属歯科病院歯周病科 聴講生
日本大学松戸歯学部付属病院口腔インプラント科 研究生
医療法人社団アークブレーンズ アーク歯科クリニック 歯科医師臨床研修
医療法人寛友会 浅賀歯科医院
医療法人Yourdent 葛西駅前あなたの歯医者さん
学会・資格
日本口腔インプラント学会 専門医
日本歯周病学会 認定医
ジャパンオーラルヘルス学会 予防歯科認定医
日本睡眠歯科学会
歯科医師臨床研修指導医

